5.志貴皇子(しきのみこ) 7〜8世紀:摂津・大和(大阪府・奈良県)

  壬申(じんしん)の乱を平定の天武天皇が夢見た藤原京はその皇后、持統天皇の時代に我が国初の大規模
 都城として完成、明日香宮は過去のものに。(五一)は、そのような栄華の移ろいのはかなさを、過去への
 愛しみを込め詠う。(一四一八)は晩年の作。吹田千里丘陵に周遊の折り垂水神社で詠われた万葉集屈指の
 名歌。志貴皇子は壬申の乱で滅びた天智帝の第7子、天武隆盛の時代に不遇であったことがかえって幸いし
 名歌を多く残した。ちなみに志貴皇子の第6子白壁皇子は光仁天皇、その第1子は桓武天皇である。  

  歌:訳文(通釈は→こちら 原文は→こちら

        あすかのみや  ふじわらのみや うつ         しきのみこ 
     明日香宮より藤原宮に遷居りし後に、志貴皇子の作らす歌

   うねめ    そでふ        あすかかぜ  みやこ とほ  
 「采女の 袖吹きかへす 明日香風 都を遠み いたづらに吹く」(巻一-51)

        しきのみこ  よろこび
     志貴皇子の懽の御歌一首

   いは      たるみ       さわらび   も
 「石ばしる 垂水の上の 早蕨の 萌え出づる春に なりにけるかも」(巻八-1418)







 明日香大仏 引用先:http://www.tokyocactus.org/mino/asukajiin.html



  山田寺仏頭 引用先:http://www2.big.or.jp/<波形>mar/hotokemae/mae/buttou.html