7.高市黒人(たけちのくろひと)7〜8世紀:尾張・三河(愛知県)

  黒人は志貴皇子や柿本人麻呂と同時期、持統、文武朝の宮廷歌人。詩情豊かな抒景歌が多く、山部赤人にも
 影響を与えたといわれている。 (五八)は持統天皇三河行幸の折、夕暮れの海を行く小舟の行く末を案じた
 旅愁の歌。(二七一)は八首からなる覇旅の歌の二。干潟に騒ぐの鶴の鳴き声に引き潮を知る。「鶴なき渡る」
 の繰り返しに、異境の旅を行く心の寂しさが滲む。                                     

  歌:訳文(通釈は→こちら 原文は→こちら

           じんいん だいじょうてんのう         みかは    いで
     二年壬寅、太上天皇(持統天皇)の参河の国に幸ます時の歌

                  ふなは        あれのさき   こ            たななしをぶね 
    「いづくにか 船泊てすらむ 安礼の崎 漕ぎたみ行きし 棚なし小舟」(巻一-58)

      たけちのむらじくろひと  きりょのうた
     高市連黒人  羇旅の歌 八首 

         さくらだ  たづ         あゆちがた  しほひ        たづ 
 (その2)「桜田へ 鶴鳴き渡る 年魚市潟 潮干にけらし 鶴鳴き渡る」(巻三-271)





 縄文時代の伊勢湾 引用先:http://www.musublog.jp/blog/fuhgetsu/?page=3&entry_id=2969 musublog


 年魚市潟と松巨島の位置 引用先:http://yayoigaoka.exblog.jp/10988188/