「春の七草は食用、秋の七草は薬用」         

 秋の七草は、山上憶良が詠んだ以下の2首の歌に由来している。(1首目は短歌、2首目は旋頭歌)
  秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花   (巻8-1537)    
  萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花(巻8-1538)    
「朝貌の花」が何を指すかについては諸説」あるが、桔梗とする説が最も有力である。

 ところで秋の七草は、尾花を除く6種類全ての草が漢方処方の中の主要な生薬であり、その意味で、
春の七草が「食用」であるのに対し、秋の七草は「薬用」であると言うことができる。6種類それぞれ
       の薬効は、東邦大学薬学部の資料によると以下の通りである。                  
    (http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/yakusou/intro/autmn7/akino-nanakusa.html より引用)
ハギ(ヤマハギ)                                      
 【薬用部分】根                                      
 【薬効と薬理】民間:婦人のめまい、のぼせなどに効果があると言われます。          

クズ                                           
 【薬用部分】根 (生薬名:葛根<カッコン>)                       
 【薬効と薬理】葛根は発汗、解熱、鎮痙薬として、熱性病、感冒、首・背・肩こりに用いられます。

ナデシコ                                         
 【薬用部分】全草(生薬名:<クバク>)  種子(生薬名:<クバクシ>)          
 【薬効と薬理】薬理効果は未詳。全草・種子ともに消炎、利尿、通経薬として水腫、小便不利、  
        淋疾、月経不順などに用いられます。                     
        流産の危険性があるので妊婦は決して用いてはいけません。           

オミナエシ                                        
 【薬用部分】根(生薬名:敗醤根<ハイショウコン>)                    
       全草(生薬名:敗醤草<ハイショウソウ>)                   
 【薬効と薬理】根と全草に鎮静、抗菌、消炎、浄血などの作用があり、腸炎などによる腹痛、下痢、
       肝炎、腫痛、婦人病などに用いられています。                  
       ポニンによる溶血作用があるため、強度の貧血の場合には用いてはなりません。   

フジバカマ                                        
 【薬用部分】全草(生薬名:蘭草<ランソウ>)                       
 【薬効と薬理】水製エキスには血糖降下作用、利尿作用などがあり、糖尿病、浮腫、月経不順など。

キキョウ                                         
 【薬用部分】根(生薬名:桔梗根<キキョウコン>)                     
 【薬効と薬理】桔梗の煎剤はサポニンの局所刺激による去痰作用があります。          
      鎮静、鎮痛、解毒作用のほか、抗炎症、鎮咳、血圧降下作用などが認められます。   
      去痰、鎮咳薬として、痰、気管支炎、咽頭痛などに用いられます。          


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